「南向きが良い」って勘違いしてませんか?
- 2021.03.31
- 不動産知識
誰もがどこかで一度は耳にしたことがあるであろう「不動産は南向きが一番」というフレーズですが、弊社ではお客さんから言われるたびに「なんともいえません」とお答えしています。
南向きと言えば陽当りが良い、価値が高いと思ってる方がたくさんいらっしゃいますが、そもそも南向きについて理解されてない方が非常に多いです。
本日は南向きについての誤解について記事を書いてまいります。
なぜ「南向き」が人気なのか
まず世の中に南向きではない住宅は存在しません。
厳密にいえば南東や南西といった向きになる物件もありますが、とにかくすべての物件は南側を向いて建っていることは確かです。
なぜなら、南側に面していない建物などないからです。これは東西南北すべてに面しているという意味です。
では世間で言われている南向きとは何を指しているのかといいますと、アパートやマンションであれば主要採光面が南側であることを意味し、一般的にはベランダやバルコニーがある側になります。
だから陽当りの良い南向きが人気になるわけです。
ところが戸建住宅の場合は、南向きとは前面道路が土地に対して南側という「南道路」のことを言います。
ですがこの「南道路」はそんなに素晴らしいものなのでしょうか?
南道路のメリットとデメリット
メリットといえば資産価値が高いこと、それから道路に面している側の部屋は陽当りが良いという事ぐらいです。
デメリットはというと、まずその他の方角より販売価格が1割以上高くなります。これは南道路の土地が優れているからではなく、単に人気があるため割高になっているだけです。
「優れているから人気があるのでは?」と思うかもしれませんが、メリットは最初に挙げた2点のみです。資産価値が高いのは販売価格が高いためですし、道路に面している側(陽当りが良い側)はたいていの場合リビングになるため、前面道路を通行する人たちから丸見えになるという、プライバシーの問題もでてきます。
通行人の視線が気になるからと、いつもカーテンを閉めっ放しとなるのであれば、陽当りの良さというメリットは半減してしまいます。
また、南道路は庭を道路側に造るのがほとんどのため、庭で遊んでいた子供やペットが道路に飛び出すといったリスクもあります。
北道路の魅力とは
土地の広さや形状にもよりますが、個人的には南道路より北道路の方が魅力を感じます。特に南北に長い形状の敷地であれば、北道路は南道路よりおすすめです。
北道路の場合は、南側に庭を造ることで見知らぬ人からの視線を感じる事のない快適なリビングとなり、また庭で何か作業や趣味に没頭しても、他人の目が気になるということもありません。
玄関部分が北側にくるため、南側に居住空間を広く設けられる造りになりますし、道路側に大きな窓を設置する必要がないため通行人の視線を気にしなくて済みます。
もし敷地の形状が東西に長い場合であっても、南側に吹き抜けを造って2階の窓から1階リビングに光を落としたり、2階にリビングを造るなどすれば陽当りは問題ありません。
そして何より南道路より価格が安いというメリットは大きいと思います。
つまり、南道路のデメリットがそのままメリットになるのが北道路なんですね。
マイホームの資産価値?
資産価値というのをやたらと気にする人もおりますが、そもそもマイホームは短期で売買して利益を求めるものではありませんので、売ることを考えて買うというのはおかしな話です。そこを求めるのであれば普通に収益物件を探した方がよほど利益とれますので・・・。
それに先にも述べましたが、資産価値が高いというのは、それだけ購入価格も高いためであって、購入した物件の価値が高いからといって別に得をしてる訳ではありません。
それどころか固定資産税まで高くなるため、そこに住み続けることを思えば、ある意味で損をしているとも考えられる訳です。向きの差だけで5~10%程度の差が出てきたりしますからね。
マイホームにおいて最大の価値とは、「住環境」の一言に尽きます。
クラシェル不動産からのアドバイス
北道路は暗いというイメージで敬遠されていた方も多いと思いますが、記事に書いたとおりたくさんのメリットがあります。南道路や東道路だけで物件をお探しになっている方は、これを機会にぜひ北道路も候補に入れてみてください。驚くほどステキな物件が見つかるかもしれませんよ。
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